アリアハンの途中ですぐ難易度を「いばらの道」(いばらの道だぜ)に変えてとりあえずゾーマクリアまでは終始そうした。
……アリアハンが異様に簡単だっただけで結構たいへんではあった。概ね35時間弱といったところ。ただ、結論から言うと「いばらの道」選んどいて良かった。
はっきり言ってしまうと、そこ以外で見どころがないから。余計なものを足しすぎていて全体的に「な、なんだかなぁ……」と思いながらやっていた。シナリオが大幅に変わった(映画がありましたっけ?)ということではないんだけど「どうしてそうしちゃったかなぁ」と思う改悪が随所に見られる。
冒頭で「本当の名」を聞くのが実は最大の悪手だったんじゃないだろうか。ドラクエはブレイブリーデフォルト(初代)じゃないんだよ、とは言っておきたい。
難易度についていうと「ネクロゴンドまでは少なくともしっかり正しいJRPGの高難易度感、ただ、ドラクエらしからぬギミックが多い」といったところ。覚悟を決めるとそういう面白さはあるんだけど
最頂点が、とある場所に追加で設けられたこの戦闘だった気がする。
やみのばんにんOとかまで行って……Aまで戻ったんだよ。これはボス戦にあるまじき展開で、流石に衝撃(なんとか倒した)。こいつらめっちゃ攻撃してくるし(ザラキ来た気がする)、マドハンドなんて比じゃねぇ。
挙動だけ見ていると3体くらいからはかなり優先的に仲間を呼ぶという思考になっていて、既存のごく少数パターンを繰り返すというドラクエのモンスターの挙動と大分違う。
ネクロゴンドも、きちんと宝箱を回収していく前提だとかなり面倒で、落とし穴がたくさんあるわけじゃないんだけど switch版DQ2のネクロゴンドと比較しても3倍くらい面倒だった感がある。
ボス戦も結構アレではあったなかで、実は面倒なのは道中。結構サクッと死んだ
今回の死んだときの挙動には諸所あるのだけど、いつもの「持ち金半分、教会から」を常に選ぶことにし、結果的にはクリア時点で概ね以下のような感じとなった。
……ちなみに終始たいへんだったかというとこれも微妙で、具体的にはラーミア復活後に突然難易度が激下がりした。えっ
バラモス雑魚いし、何ならゾーマも雑魚いんす。なんだよこれ
まぁ後半は調整難しい……そういう問題かなぁ。なんとなく「ネクロゴンドでバランス調整まわりに力尽きた」ような腑抜け方をしている印象だった。最後のゾーマの城あたりからまたちょっと気合が戻ってきたような感じではあったんだけど、……細かいことは書かないけどラスボス周辺は手抜きよ手抜き。評価に値しません
……と書いた部分までが「まぁまぁ評価できるところ」なので、あとはシナリオ周りの追加物とかは概ね「なんだかなぁ」と思うことが圧倒的に多かった。
また、物語とは別にプレイ感も全体的には不満が多い。なにより「美麗にしたいのまではわかるが動きを2Dにしたいのはなぜ?演出も3Dをむりくり2Dにするのはなぜ?」みたいな印象が拭えない。
2Dにするならするで、3Dマップの見る角度の調整くらいはさせてほしかった。単純な話、横方向の扉が見えないので非常に入りづらいし、手前の3D構造物が邪魔で状況が見えない。たまに構造物に半分かくれた形で宝箱がおいてあったりするんだけど、あのね、それはこの3Dの作り込みのなかではNGっすよ。2とか5にあったような見えない通り道とか、ああいうのは飽きるし、主人公目線では本来ない代物じゃないかい。そういうのは、ここまで3Dで作ってるのにやめてほしい。
何より「こんな無様なラーミア体験は初めてだよ」てな感じ。奥行き3Dなのにクッソタルい2D移動で方角も固定なのはなに。手前が見えないんだよこれじゃ。加えてなんだよ、あのBGMを邪魔する風の音は。気持ち悪いよ。
PS2の時代の8でも、もっとずっと良かったよ。過去作全部に負けてます。ひっどい。
普通の人が多分文句を言わないであろう箇所をもう一つだけ。この話は主人公目線のものであるはずなのだけど、そして、わざわざ自分の名前を入れさせている以上、自分の分身であるという想定であるはずなんだけど、物語自体の外枠について第三者目線であまりに語り過ぎている。
典型が、朝起きる前を中心とした母親の動き。この手の「母の祈り」系、最近の鉄板だとは思うけどそろそろやめてほしい。押し付けがましいんすよ。DQ11の最後は良い終わりに分類してよいと(かろうじて)思った。今回の3の演出は駄目
あと、ある意味気合を入れて足したんであろうオルテガ周辺や、沈没船あとの岬の演出。だっるー。純粋2Dだから絵になるもんを、混ぜものでやっても同じにはならんのです。唯一良かったと思ったのはオルテガの最期くらいか……
総じて、ビジュアル、ユーザ体験を取り仕切る人のレベルがすごく下がったな、というのが率直な印象。追加しているもののチグハグな印象が拭えない。その中で、アイテム・武器の取り扱いも「ドラクエらしさ」を失ってしまっているのだけど、その範囲ではゲームバランスは担当者が局所で(途中までは)頑張った。そういういびつな作りをしている。それでいて、ヤマタノオロチは頭が5つなので、お金の使い方がどうもおかしい。この品質のリメイクにしてはなんだかかなり「高い」し。
リメイク熱がうっざいなー、と思いつつ半分は義務みたいなところでゲームを開始して、なんだか当初期待とは全然違うところで納得を得るしかないというゲーム体験。
古いゲームを引きずると、作る側もやる側も色々「膿む」なぁ、作品は順調に老害系コンテンツになり、シニカルに見がちな私も含めてプレイヤーはプレイヤーで、アホみたいな金の払い方してるなぁ、と、とりあえずなんだか残念なような、あるいはその中に全く以前と違う「面白さ?」を見出しているところに、フクザツな感情を持つ。もしかすると、この流れが新しいドラクエのテイストに……うーんならない気がするんだよな。単にグッチャグチャなんだもん。
あ、ゾーマ倒したあとのエンディングについて感想?後づけのクソはいい加減やめてほしいと思います。