真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

図書館をつくる

トンボの空

本代を高く見積もりすぎて逆に人件費はどこにいった的な感じですが好感は持てます。

前にどっかで書きましたが、基本的にクローズドなコミュニティで共有スペースを作るという案には賛成なんですよね。問題はそのコミュニティがどのような連携で成り立つかという話でして。『ネクスト・ソサイエティ』ではドラッカーはそれをNPOの範疇で捉えようとしていましたが、日本のNPOの仕組みでうまくいくかは謎。

(大抵の場合、まわりからみて「何か変態臭い」とかいう解放感のないグループの方が中の雰囲気は良いもんで、一方外に例えばMLを公開するだけですら、あっというまに横暴と説教の嵐になり最後は過疎るのが常です。私が「良い」と思えた組織は例外なくやや閉鎖的でした)

上の話は完全なフルセットの図書館をいきなり夢想してるんですが、現実的により意味深そうなのは東大情報科学科にある(あった)図書室であろうと思います。

マスに提供するための汎用目的図書館で期待した図書が手に入ることは実は結構まれで、採算を取ることも統制を取ることも現実的には無理なんではないかと。今までただ一度たりとも日本の公共の図書館がそういう点でまともだったことはありませんでした。噂によるとアメリカだとそうでもないなんていう話はあるんですが、良い噂は大学の図書館からです、あくまで。つまり何某か公共性以上の制約のもとに強さを構成している。

大衆的でしかも一世代前の本がもっそりある、というのは正直あんまり私としては価値ないです。むしろ、定番の教科書や文献が2組つねにそこにあり、たまに一組借りられている、というレベルの方が望ましい。また、維持しやすいのではないかとも思います。

特にCSに関して言えば教科書の根本的なイノベーションなんてのはまるで起きておらず、欲しいときにヘネパタやドラゴンブックや恐竜本 (あるんだよ!恐竜先生と関係なく!) や圏論の基礎があって最新のACMの会誌があればまったく問題がない。まぁおまけ程度にあじゃいるなどというものを片隅に転がして置いても良い。プログラミングの心理学は15周年版で良い。なんならプログラマーのためのSQLとか置いといても良い。

#上記の情報科学科のキモは、最新の論文がかなりの高確率で手に入るおそるべきナニモノかであったところがもっとも敬意を表するところで、私がここでやりたいこととは結構ずれてるんですけど、でも参考にはなります。参考にはなってもいくらかかるかは分からんけどな

現実的に、つまり会計や財務という視点でこのプランを真面目に練ったことはまだないですが、日本に帰ったら考えようかと思っています。でも帰るの?帰らないかもね。

#ちなみに本のレパートリーがあまりにも研究サイドよりであるのは、ネタです。とりあえず最初に置くのはJoel on Softwareです。これもネタです