真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

『ソフトウェアアーキテクトが知っているべき97のこと』

元の本がソフトウェアアーキテクトに書いてもらった1〜2ページのエッセイ97個 (全員別著者、というわけではない) で構成されているからこのタイトル。日本語版には日本人の「ソフトウェアアーキテクト」数名が11個エッセイを書いている。

エッセイ単体の評価では☆☆ (2) 〜 ☆☆☆★ (3.5) までふらつく。総合的には☆☆★ (2.5) か ☆☆☆ (3)。

本のタイトルにある「ソフトウェアアーキテクト」というジョブは日本に職業として定着してるんだろうか、と思う。感じとしてはSEだが、その認識を私と共有しているのであればNo.63とNo.75を読んで日本の業界が破綻している様を堪能すると良い。

個人的におすすめなのはマイケル・ガナード (『Release It!』の著者) によるNo.08, No.09, No.37, No.38、他の著者ではNo.48, No.73, No.80が特に良かった。

他のエッセイも落第点にしたいものはごく少数で勉強するに値するトピックは多いが、「一言いうならこれ!」と言いたくなるようなトピックは、むしろ他の本で一章、もしくはそれこそ一冊使って、もっと精緻な考察を試みられていることが多く、当然そちらの方が満足のいく説明になっていしまう。よって、納得はいっても「何か食い足りない」というトピックが本書に非常に多かったのは、それほど奇異なことではないとは思う。ただ、複数の優秀な人物の意見が一致するのは、平凡ながらも興味深いことである。

ソフトウェアアーキテクトの頂点の人々が書いた厳選エッセイ集、っつーより書きたがり屋が集まりました、みたいな。そういう意味ではやっぱ ☆☆★ (2.5) かなー。でも読んでおいて損はないような。

この本のエッセイの半分以上について「目新しい」と思ったらちょっと勉強しなおすべきだと思う、程度の深さの本。でも逆に勉強したいSEやらアーキテクトやら、ビジネスとエンジニアの橋渡しをしがちな人は読んでいいんじゃないか。

日本人による11個のエッセイは、……ええと、「ソフトウェアアーキテクト」という視点ではNo.8, No.10が読むに値する。No.6, No.7は良いエッセイだが「ソフトウェアエンジニア」「ディベロパー」に対するエッセイであってアーキテクト向けの記事ではない。他は、ぽいっ

あんまり時間がなければ上に挙げたエッセイだけ立ち読みしておしまいにするとか?でもそれって、世界に名だたるソフトウェアアーキテクトより私を信頼するってことですぜ、だんな。