真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

正論と実態の差

http://www.asahi.com/culture/update/0721/NGY201007210024.html

この前偶然ニコ生でボカロと著作権とカラオケの関係についてぐだぐだやってる番組を見た。

JASRACの言い分は基本的に間違ってないとは思った。一括管理する以上旧態依然とした体勢が残っていることは認識していて、そういうのをなんとかしないといけないとかいう話もありつつ、JASRACに委託した以上JASRACの一括処理のルールに則ることに同意したって意味ではJASRACに協賛しているということで、もしそれに同意できないのなら自分たちで著作権管理団体を作れば、という話。

間違ってはないんだけど、実態としてはびみょーかな、と。

実態にそわない古い著作権法を、わざわざ勉強してまで金をもらいたくない思いつつ、もし私が曲を作って、それが偶然ヒットになっちゃって、月に数十万入ってくるカラオケ曲になったとしたら、そりゃなんか微妙な気分になるよね。

楽しんで曲作って公開しているだけだったのに、なぜか人気になり、カラオケでうたいたーいなんて要望が出てくる。何もしなければカラオケ曲にならない。カラオケ曲にすることに同意したら、さらに手続きを踏まない限り「ぜーんぶJASRACとかカラオケ屋に収入持ってかれる」という状況で、「旧態依然としたJASRAC」がデファクトインパクトを持っていて、もしそれに同意出来ないのであれば、解決策が超コストのかかる「組織作れば?」というのはなんか極端だ。

筋は通ってるけど、ミクに歌わせて楽しくやりたかったという地点からずいぶん距離が離れている感は否めない。

最近叩かれがちな大きな組織って、既存市場に(過度に)最適化されたシステムを作り込んでる。で、そういう組織とは、現行の法律とか形式上の正論では草の根の人々が戦うのは辛いなー、と思う。そういう法律とかこそが、消費者の期待に基づいて根本から変わっていくべきだって話が私は好きなんだけど、実際にそういうナイスな事態を早々期待できるはずもなく、草の根のミク信者どもは正論にやられ、実務の煩雑さに呆れ、かすらっくとか騒ぎつつ、だんまり泣きを見るしかない。

「何もせずに曲作ってれば勝手にお金が入ってくるなんていう期待が甘い」とかいう人もいるけど、JASRACっていう組織をゼロベースで作ったわけでもなく、気づいたらそういう構造が出来ていたところでそっちに属していたってことでその台詞を吐くのはちょっとずるいかなー。

ところで、ひろゆきが「10%マージンとってカラオケの曲登録代理したら儲からね?」とか一人でwktkしてた。あー、なんかやりそう。それに、書類仕事に慣れているのであれば、筋は良い。ああいうのは慣れてると外野の人が思ってるほどそんなにはめんどくないから、ひろゆきにとっちゃ金のなる木なんだろうなぁ。