真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

ガラパゴスは素敵

昨日は飲んで帰ってそのまんま寝てしまったので何も書かなかったが、ちと起きたのでメモ代わりに。

日本の現状で一番やばいと私が思っているところは、世間様が「英語できなくても生きていけるんじゃね」と思って社会の共通の認識としてそれが伝播して、そうすると必然海外事情なんかどうでも良いとかいう田舎の知恵が蔓延して、結果として、潜在的に国際競争力を持てそうな優秀な素質、学習能力を持っている埋もれた人材にそういう認識が感染し「いざ出陣!」という段階になったときに外のことをちっとも意識しないで将来設計をするとか起業するとかして、気づくとスケーラブルしないもんばっかり作って日本人受けは良いんだけどいつまでたっても外に出られない、という状況なんじゃないか、なんてことを話していた。

昨今見る典型例で言うと、Facebookは荒削りでどうしようもない感じだがスケールし、mixiは日本人の閉鎖コミュサポートという魅惑のシステムがありまくるけどどー見ても世界を考えてない。

いや、別に「それで食えるからいーじゃん」と言われれば「はいそうです」と答えるだけなんだけど、個々の組織なりそれこそ個人なりが、自分が生きるための金を得るためだけにサービスを作って比較的小規模のサーバ構成にして、人気が出たら「にゃー!困った!仕方ない、このデータはこのサーバ!このデータはこのサーバ!」とかすんげーアドホックにサーバ側を拡張してうぐうぐやっていて、ある程度日本全体からのアクセスを裁ける段階になっていると、ふと振り返ったとき、もうアクセス数のオーダが2桁増えるケースなんか捌くことがそもそも本格的に無理な状態になっていて、「仕方ありません。現状でも黒字なんで海外進出あきらめてこのままいきましょ」とかガラパゴスによろしくな状況になる。

海外の企業ってのは作りこみより割と先にスケーラビリティを重視して、1台のサーバでも100台のサーバでもまぁそれなりに動くって設計で世界中のアクセスを捌けるときには捌ける形で構築しておいて、最初の機能のインパクトにかける。機能を磨くのはずーっと後で、でも初期設計のスケーラビリティを大事にするのでゆっくりでも機能を追加することは出来るか、ユーザベースが膨れ上がってIPO、売り逃げ、さいならー、となるか、あるいは自力で少しずつ成長するか。いずれにせよユーザベースが100万人だか200万人だかに閉じてて成長の見込みのない変に作りこまれたサービスにはしない、と。

後者は前者に最初のうちなっかなか勝てない。なんせローカルのユーザの声第一で作ってるからそのローカルの人々にとっての支持率たっけーわけだ。でも、悲しいほどスケールしないので、成長戦略がそこに束縛される。

そのうち、後者側が相当程度のアクセスを裁ける段階に入って魅力的な作りこみをしましょーって言い出すと、前者は少しずつ苦しい立場におかれる。スケールするサービスに「こっちもスケールしてやるっ」とは言えず、ローカルユーザに対する作りこみを強めて堀を深く、城壁を高くして「くるなくるなー!」と篭城戦。そして黒字。一方スケールする側は「あ、その機能が欲しい?あいあいさー」と、少しずつ現状ユーザがとても望んでいてでもない機能をのろのろと実装してく。この時点まで後者側が到達できれば(出来ないほうが多い!当然!)、初期設計の段階の決定がここで生きて、徐々に前者の優位点が食われていく。

それでも、日本人は機能豊富な閉じたコミュニティにしがみつくので前者からはとーぶん離れず、ガラパゴス完成、とあいなる。

ところが気づくと「あれ、何か知らない間に外部のサービスでも同じことが出来るようなのですよ?しかも海外でも何の問題もなく使えます……」とかいう状況になって、ユーザはぎこちない状況に落とし込まれて、……その先は良く分からない

前者のガラパゴス的サービスがここで、新しいサービスを作りこむにあたってたとえば外部ベンダーもお金儲けできる仕組みを作って「これでうちのサービスを盛り上げてくださいなのです!」とか言ってそーいうサービスを公開すると、そのサービスをきっちり作って売り込んでくるのはなぜか海外に本拠を置く会社だったりして、でももう日本人のニーズみたいのをリサーチされてて、ガラパゴスインターフェースの中にすんなり後者のお金儲けシステムが入り込んで、日本からお金がするするっと(日本人が意識しないまんまに)外に流れていく。まぁこれはさすがにアレなシナリオだが、ガラパゴスだと思ってたら気づくとトロイの木馬だったー!「ΩΩΩなんだってー」なんてことになってたり。

眠くなったのでここまでにするけど「現状で僕ら生きてけるんで海外目指すのあきらめます」ってベンチャーは、ある意味での大罪を背負ってる、と私はなんとなく思うでやんす。