真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

『REMIX』

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4798119806/mowanetjp-22

3.0 (☆☆☆)

特に申し立てもなく、過去三作から飛躍的に成長したわけでもなく、過去の議論の延長にある感じ。

多分煎じ詰めると「既存の法体系と倫理観を絶対視するのではなく、既存のコード (『CODE』のそれ)と未来の倫理観にそった思想や法体系にするよう模索するべき」という点がレッシグの重視したいところなんだろう。根底の思想は第一作の『CODE』から一貫している。

既存の話にしっくり言ってる読者の懐具合とか倫理感を尊重するための内容ではないので、既存世代がこの本を読んで仮に文句を言い出したら、そいつの主張を理解しようとするんじゃなくてとりあえずそいつを黙らせるべき。そして一番最初に黙らせるべきはこの本を翻訳した奴だと思うけど、まぁいいか。もちろん本丸を攻める上で旧世代の主張を汲むのは必要だろうけど、この本の目的はそういう点じゃないのだ。

平成生まれ的な人々はそもそもレッシグの守りたい側におり、この本を読んでも「わざわざ言われなくても……」という感想を抱きそう。そういう意味では、若い人にとっても読む価値はない。

読むに値するといえば、現在、大体現在25〜35くらいの、両方の価値観が頭の中で混在している世代。ここらへんの人は、何故か思考が歪曲していて、一方でコードの概念を理解していながら、他方で法体系を擁護する思想にべったり、という変な思想に浸かっていることが多く、多少矯正が必要に思う。それより上の世代にはとっとと退場してもらい、それより下の世代を引き上げる努力をした方がよい。

ん?レッシグはそのレンジに入ってないって?しらんがな。

本自体の主張は同意できるものの冗長で読みづらい感があるけど、正直『CODE』の頃からそうなので慣れるしかないかない。