真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

Effective UI

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/059615478X/mowanetjp-22

タイトルの通りのUIの本、、、と思いきや、これはプロジェクトマネジメントの本です。正確には、よいユーザエクスペリエンス == UX を達成するために導入するための組織構造、デザイン「プロセス」、開発スタイルについての本と言えます。

いわゆるアジャイルに属すると思われる開発スタイル。ただ、主にUXデザイナー、もしくはUXデザイナー志望の方々の視点で見ているという点が、他のアジャイル関連の著書と若干異なり、個人的に新鮮でした。実際に開発を開始しイテレーションを行う前段階、つまりユーザ調査といった側面に関する言及が、アジャイル本としては比較的新しいのかな、と感じます。

アジャイルマニフェストが提案された直後には、比較的形式にこだわったスタイル (例えば、extreme) が提案され、本としても多数流通しました。本著はそれと比べると、形式については「良い単一の解はない」という視点に立って、背後の人々の動きを強く強調します。具体的なプロセスについての説明はより少なく、プロセスの動的立案に関する原則を考える、と申しましょうか。実際にすぐに使える「〜日で〜を行う」といったルールがない分、示唆的でもあり、一方、実際に導入する際には絶えずプロセスの再考を促す難しさもあります。

タイトルの期待通りの内容ではない、という点は確かにあるのですが、内容の方向さえ理解できれば興味の尽きない分野です。

具体的なUXの向上に関しては、ユーザ調査などについて数章あるものの「エキスパートに任せる」と指摘する箇所が多数あるため、もしUXデザインのエキスパートになるということであれば、まだ学ぶことは多数あると思います