真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

技術を袖にする会社

何かこう最近、IT企業とかでオープンソースとか自社の開発能力を軽視するような系統のニュースを聞くわけです。最近特に目立つのは企業がサポートしていたオープンソース(もしくはそれに限らず)コミュニティを唐突に切り捨てる、みたいな事例で、今までその企業がバックについてたのに唐突に「いや、止める」と言い出す話題。

そんなに新しい事例ばっかじゃなくて、多分IBMとかも私の理解だとどっかのタイミングで (私の理解では『巨像も踊る』のガースナーが舵を取った頃に) 採算と関係ない親外部開発者的な態度を切りすてる的な方向性を打ち出した気がします。ある頃から、IBM界隈がコンピュータオタクから遠くなった。ThinkPadもなくなったし、今では何だかすごい企業が買えるすっごいサーバとかそういうのばっかり。すべては採算のなせるわざ。 (もちろんそのすっごいサーバはずっと前からあったわけだけど)

いや別にそれが悪いなんていう話じゃなくて、むしろそれって経営やってる人としては当然やるべき部分かなぁとも思うわけです。よくわかんない哲学的な理由で技術だ技術だとか言ってて採算取れない会社ってのは、割とみっともない。『エクセレントカンパニー2』では「技術は企業の長期的な成功における重要な要因ではない」みたいなことが書いてあった気がします。あの本について言えばIT企業研究の話ではない上、30年とかそういう長期に渡って成功した企業についての研究なので、すぐに私が今話題にしている分野に適用するわけにはいかないはずですが、しかし成果をもたらさない技術振興が成功し続けるかどうかは、実はよく分かってないし、むしろ私の思う範囲では、割とIT企業的に成長率伸びた企業って、技術自体よりマーケとかの組み合わせの冥利に尽きる気がするんですよね。

で、興味深いのは、オープンソースコミュニティから超disられそうな行動を起こした最近の企業が今後どうなるかってことで。

いや、ハッカー的な人って毎度こういう「袖にされる」ような事例で「けしからん。あの会社はきっとつぶれる」みたいに評するんですが、私の理解の範囲だと(そこらへんをなおざりにすることを選んだ)IBMは潰れてないんですよ。で、数年経つと、最初にそうdisってた人たちは自分が打ち出した「つぶれる」という予想の成否はすっかり忘れて、その状況状況の流行の意見を作って生きてくだけ。別に正しい予測も正しい世界の方向性も打ち出せてない、と思えてしまうことがあるわけです。評論して、外れても気づきすらしないのなら、多分その人たちの意見は聞くだけ無駄ってことになります。そう、あのクソ忌々しいPDCAサイクルすら満足に回せない。

というわけで、今後どうなるのかは個人的には色々興味深いなぁと。いや、どの企業かなんて書かないよ。一般論だこれは。

それにこの話は私の好みとはあんまり関係ない。考察だこれは。