真 もわ爛漫

しゃーら、しゃーらしゃーら

電子オルガン

555 ICを使った電子オルガンを作ってみた。写真は電源とスピーカを取り外したもの。忘れる前に雑多なことをメモっておく。

 

 

回路自体は『エレクトロニクスラボ』を参考にした。

www.oreilly.co.jp

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ただこの本、回路に詳しい説明がない。子供向けなので音出ればいいやつ。さらに、本に書かれている回路では「レからド」しかない。下のドがない。

単に音が出ればいーね、というのを少し通り越してもう少し理解したかったのと、下のドを足すというのをやってみたかったこともあり、使われている抵抗や発振周波数の事情を読み解きつつ、回路を修正して下のドを追加してみることにした。まぁ想像できる通り、抵抗を一つ、タクトスイッチを一つ足すだけなので、抵抗値を調整すればなんとなくは出来るんだけどね。

ちなみにこの『エレクトロニクスラボ』にある電子オルガンという今回参考にした回路について、深刻な誤植があり、読んでいるときに「???」と唸った。具体的には、作者意図としては100nF (= 0.1uF) の(セラミック)コンデンサを配置する部分で「100uFのコンデンサ」と書いてあったのであった。

コンデンサ」としか書いてないけど……写真がセラミックコンデンサで、なんでそんな容量……?本当にその容量……?電解コンデンサじゃなくて……??

「100UFのセラミックコンデンサって普通このレベルの工作で使います??」とか。調べたら売ってるんだけど高いし、それにしてもそれならせめて電解コンデンサを写真上でも使うべきだし極性書いとくべきだよね……的な。

んで、ただの誤植だったわけだ orz

0.1uFのセラミックコンデンサは常備してるよね。ということで次へ。

 

上の写真を見れば概ね想像できるけど個別の抵抗を連結して適切なところでタクトスイッチで短絡させている。以下、使った抵抗と「本来その周波数の音を出す際の計算上の抵抗値」のメモ

cc.cqpub.co.jp

 

※ 音についてPythonで学ぶという都合の良い本もある。こちらもちょっとだけ参考にした(numpyとかじゃなくてPicoでやってほしいよな)

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単に組み立てるだけでは仕組みがなーんもわからんので、パーツを読み解く。特に疑問なのは2つ

  • このICなんだ?
  • それぞれの音の抵抗はどう決まっているんだ?(上のメモはここから派生)

タイマー回路の有名どころ 555 ICについて学べた。555についてはいつかもう少し勉強して使いこなすこともあるかもしれないけど、今回は渡された回路をそのまま鵜呑みにする。「抵抗で音が上下するのねフーン」くらいしかまだ理解してない。

※ あまりに有名なICなのでWikipediaにも回路図書いてあるし、ついでにIC自体をトランジスタで作るキットまである。ウケるな……

eleshop.jp

 

 一旦「抵抗値で周波数を決定するIC」という理解の仕方をすると、次は周波数と抵抗値と、さらに本で選択している抵抗について考える。

理論的な抵抗値は https://cc.cqpub.co.jp/system/contents/3338/ に書いてある。実際に本で使われているものはこれとは大分ずれている。調達の容易さ……だろう多分。

完成写真では金属被膜抵抗とか使っているんだけど、炭素被膜抵抗にしなかったことについて難しいことを考えたわけじゃない。例えば誤差とかね。炭素被膜抵抗の5%誤差があっても特にこの実験で致命的な音階差は出ないと思う。そもそも音微妙にズレてるのよ。いかにも「やっすーい電子オルガン」みたいな歪んだ音がする。あるいは調律をしないで放置したピアノみたいなやつ。

本では周波数と対応する抵抗じゃなくて「調達しやすい抵抗」でそこそこ音が出るように調整しているようだった。んで、そういうのは多分「系列」の話に関係する

sim.okawa-denshi.jp

 

あまり詳しくわからんのだけど、手元の在庫については上記の記載に基づけば「E6系列で桁の違うのが少しずつあり、(これは秋月強いところの)1kΩや10kΩの炭素被膜抵抗がたっぷりある」みたいな状態。E24系列くさい数字の抵抗は手元になかった。1.3kΩやら6.2kΩなんていう抵抗、流石にストックしてないよ。

E24系列くらいだと秋葉原で手に入るだろう……ということで行く。まぁ、結論としては千石本店の地下だろうね。

この電子オルガンの抵抗については(相対的に夜遅くまで開いているという理由で)最初マルツ秋葉原店で調達したんだけど、全体的に「なーんか妙に古くないです?(´・ω・`)」みたいな在庫で微妙に不安。このあたりをマルツ秋葉原店で単品買いするのは何かちげーなって気持ちになった。回路上にある色違いの(多分)酸化被膜抵抗はマルツのやつ。小さい金属被膜抵抗もマルツのやつ。直接的には「ワット数が違うから」大きさが違うんだけど、なんで大きさが違う調達になったかというと、棚の整理が、えーと、なんかきちゃないんだよね……

抵抗の売り場面積は千石地下が秋葉原で見た中では最良なので、こういうピンポイントで指定された抵抗はあすこがいいんだろうなー、と思った。抵抗やコンデンサとかのラインナップとなるとあの地下かなり強い印象。電子工作レベルなら困らないよねあれ。最近はネジ(2階)もね。

今回使った(本のタイプのとは違う)小さいタクトスイッチはまぁどこで買ってもいいんだけどスイッチのラインナップは千石2Fが楽しいです。回路的にはタクトスイッチが横幅を全力で食っていくので、コンパクトに作成するうえでは小さいほうがええだろうと

555やらPHコネクタは秋月の方が気兼ねなく探せるしで、抵抗以外は秋月と考えてよろし。ちなみに秋月で念の為眺めていたら100uFのセラコンも売ってた(ただ、意味なく高い)

上でも書いた通り、調達の容易さから子供向け工作というのもあって抵抗値を合成するようなことは元の本はやってない。例えば(上のノートにもあるけど)、高い方のドが最小抵抗なんだけどこの時点で640kΩが良いところを(E24系列の抵抗1本でなんとかなる)620kΩを選んでいる。直列でつなぐのすら煩雑になるのでやらない。音はそこそこ。割り切っている。

真面目にこの抵抗値を「本物」にしようとすると、単純に抵抗をつなぐだけの部分が面倒そうなので、諦めてズレた音のままとした。単音しか出ないしマジでやってどうすんの(´・ω・`)

上のメモにある通り「レの下のド」は本来の周波数と抵抗値に基づくと 1.3kΩでよさそうだった。買って余った1.3kΩをそのまま繋いで下のドも完成。

 

一旦ブレッドボード上で音がなることを確認後に、作品として保存しときたいのもあってユニバーサル基板に移植。この際に配線ミスして少し苦労する。配線図書いてからやりゃぁいいんだろうけど手抜きがちだなぁ。このあたり経験値がない。

 

一通り完成した後、ふと「棒状の可変抵抗使うとオタマノートっぽくなるのでは??」とか思って繋いでみた。

 

が、すんごく演奏がしにくいだけの楽器もどきになっただけであった。このあたりはまた練度が上がったときにでも考えることにしよ。

 

複数の音を混ぜる場合の楽な方法とか、音色とか、なんか色々考えたくなるんだけど、シンセサイザー作るところまではまだ遠いわ。おしまいとする。