(この手のマイナー情報ってあるとき突然ネットから消えたりするので少し引用強めです)
結局は下記の情報をもとにすれば同じレベルの知識を得られます。お急ぎの方はそちらへ。
http://home1.catvmics.ne.jp/~togachan/data/com-if-ten.pdf
今回他の用途(これまたDDR。ただし失敗した)で買ってみた外付けテンキーですが、そのまま死蔵させてもいまいちなので知見の犠牲になってもらうことにしました。
Amazon.co.jp: エレコム テンキー 有線 メンブレン Mサイズ 1000万回高耐久 ブラック TK-TCM011BK : パソコン・周辺機器
TK-TCM011BKという1000円しない外付けキーボードです。メンブレン。
分解・工作の先行事例はネットにあります。古いのは2010年以前だなすごいな。いやま、メンブレンの外付けUSBキーボードなんてそりゃずっとあったけど。
てっきりそれぞれがON/OFFを持つ(メカニカルキーボードなんてまさにそうよね)のかと思ってたんですが、さすが私は素人、そんなんじゃ安くならない。
「KB212U」と調べると同じタイプのキーボードを分解して工作されている事例をいくつもみます。ただこの基板自体の素性はちょっとよくわかりませんでした
『USB 無線マウス』を特に意味もなく分解してみた | uzurea.netという記事の基板にも記載が「E210448」とか「KS」とかこのあたりは似てるので、多分作っているところに関係があるんでしょう。これ以上は掘り下げません
キーボード側面で言うとメンブレン型のキーボード下にあるフィルムっぽいのが本質ですかね。上の基板はそれをデコードしてUSBキーボードとしてシグナルを送っているんだと思います
折りたたまれていたフィルムを剥がして開いてみました。この左右のシートの間に同じ厚さの穴だけが空いたシートが挟まっていて、微妙に接触しないようになっています。
キーが押されたときだけ、そのキーに対応する2本だけがショートします。
左側フィルム上に12本ショート対象となる線があります。これを(前掲記事と対応するように)1〜12と呼ぶとすると【自作】同時計測 光電管タイマー Part2 - 記録用(ついでに共有)にある感じでボタンと対応付けられるわけ……ですかね。
コスト対策……かなぁと。800円弱とかなんですよね。現在の価格で銀軸ここに配置はしないよね、と。
押下の感じが「メンブレン」という以上に同時押しが3ボタン以上は安定して出来ない気はします。
きちんと復元アルゴリズムまでは考えていないんですが、2ボタンまでの同時押しは理論的に特定できそうで(1誤り訂正くらいの配置になっているのかな)、一方3ボタンは無理な配置に見えます。興味ある人は「2ボタン同時押しまで判別できる」かつ「配線コストが安くなる」アルゴリズムを考えてみても良いかもです。
数字の組み合わせをUSBのキーボードに変換するロジックがおそらく基板上に実装されているのでしょう。小さなマイコンで十分作れそうな話ではあります。愚直には12x12の2次元配列だけですかね。ハッシュテーブルに潰して小さくなるか、とか、2ボタン押下対応は勝手にやって。
個人的に一番感動したのはここかもしれない
完全に地上・アナログから遠く離れたデジタル野郎はこういうのでどんくらいノイズが減るか、とかの肌感覚がありません。フェライトコア的なやつ……で合ってますよね
以上、とりとめもなく分解しながらあれこれ考えてました。安定して長期間使えるキーボードをコスト削減しながら作る……みたいな観点で流石に古くからあるだけのことはあるなぁ、と微妙な納得をしました。
一方、自作キーボード・電子工作という観点では、こういう工夫せずに脳みそ筋肉で赤軸とかマイクロスイッチとかを並べて、隙間から入り得るホコリ、コストも気にせずアクリル板でどーん、で良いわけなので、このメンブレンからのエンコードにエネルギーを費やす感覚がどこで効いてくるのかはわかってません。いいんですよそれで。